営業のスキルを高めたい…
営業でなかなか結果がでなくて悩んでいる人もいると思います。
営業力を高めるために本から何か吸収したいけれど、どんな本を選んで良いか分からない人もいるでしょう。
こういった人の悩みを本記事では解決します。
本記事では、実際に営業の現場で使えるスキルが学べるビジネス書に絞って紹介していきます。
私自身、法人営業を4年ほど経験しており、無形商材2年、有形商材2年を扱ってきました。
そこで本当に役にたった本だけをご紹介します。
記事の中で紹介した本で学べば、営業力が高まり年収アップにつながるでしょう。
現状に満足していない営業マンはぜひ、最後まで目を通してください。
営業の魔法
本書は営業マンのバイブルとして読まれることも多いです。実際に私もどれか一冊だけ営業本を選べといわれたら間違いなく営業の魔法を選びます。
営業1年目から現在に至るまで何度も何度も読み返しました。そのおかげで営業のスタンスが確立されました。
本書では、具体的な営業手法をストーリー形式で語られているので実際の営業シーンを想定しながら学ぶことができます。
実際に活用して想像以上の効果があったのは以下の2つ話法。
- 二者択一話法
- 推定承諾話法
それぞれ解説します。
二者択一話法
二者択一話法とは、相手に質問を投げかけるとき、具体的な選択肢を2つ与える方法です。
選択肢を与えたほうが回答しやすいので、会話もスムーズにいきます。
個人的に役立った場面はテレアポのときです。
例えば、「いつがご都合よろしいでしょうか?」とアポ取りを行うよりも、「A日かB日のどちらがご都合よろしいでしょうか?」とアポ取りを行うほうが多くのアポイントを取ることができました。
他にも「AプランかCプランならどちらがご興味ありますか?」など、商品提案のときにも活用できます。
二者択一話法を活用することで、お客さまから回答をもらいやすくなるのです。
推定承諾話法
推定承諾話法とは、お客さまに商品やサービスをすでに成約いただける前提で会話を進めていく方法です。
想像力をかきたてるような質問を投げかけると、お客さまは頭の中でイメージしてくれるようになります。
例えば、「もし仮にこの加湿器を購入する場合は、色は何色がよろしいですか?」と質問をすると、よほどひねくれたお客さまでない限り、「その中だったら青色かな」と答えてくれます。
まだ確定していない仮の答えであっても、自分自身で回答をすることで、実際にその商品やサービスを手にしたときの状況を頭のなかでイメージをするので、成約につながりやすいのです。
人は無意識のうちに一貫性を保つ性質があるので、自分の口から発した言葉には大きな力があります。
最初は仮で答えたとしても、その回答どおりのものを成約しやすいのです。
営業1年目の教科書
タイトル通り、営業マンの入門書や教科書にあたる本です。
営業の基本が詰まった一冊で、はじめて営業職をやる人におすすめです。
名刺交換や挨拶の方法から営業マンの服装や持ち物などについても網羅されています。
すでに営業を経験している人でも、1~3年目くらいまでは、本書で自身の言動の答え合わせをすると営業マンとしてさらに成長できるでしょう。
営業1年目の教科書で語られている内容で、大事だと思ったポイントをまとめていきます。
営業マンとは?
まず、本書のなかで「営業」とはどういった存在なのかを定義しています。
“お客様から信頼される存在”であり、“お客様の意思決定をサポートできる人”と書かれています。
営業と聞くと、押し売りのようなものをイメージする人もいるかもしれないですが、あくまでお客さまにマッチした商品(価値)を提供するのが営業です。
売れる人の9割は小心者
売れる人の9割は意外と小心者です。
なぜなら、繊細で気を遣うことが多い人ほど、商談中のお客さまの表情や言動から素早く変化に気付けるからです。
内向的で繊細な性格の人ほど、相手の立場にたって考えることができて、お客さまの潜在的な悩みをくみ取ることができるのです。
営業は、明るく元気で外向的な人にしかできないと思っている人は大きな間違い。
小心者で自分には営業が向いていないと思っている人こそ営業に向いているのです。
売れる営業は断り文句を真に受けない
売れる営業は断り文句を真に受けません。
なぜなら、お客さまは「売り込まれたくない」と思っており、「今すぐには購入しないのですが…」などと予防線をはっているだけだからです。
予防線を張ってとっさに出た本心ではない言葉を真に受けていたら、売れるものも売れません。
出会ってすぐに断り文句がきたとしても、怯まずに断る理由を深堀りしていきましょう。
商品の「デメリット」も語れる営業になる
売れる営業は商品の「デメリット」も語ります。
どんな優れた商品であっても、デメリットが1つもないことは少ないでしょう。
メリットしかいわないと胡散臭く感じてしまう人も一定数います。
理想は、商品のデメリットを包み隠さずに話して、デメリットを上回るメリットを提示することです。
ほどよくデメリットを伝えることで、メリットも引き立ちます。
売れる営業になるには、デメリットを語れることも重要です。
無敗営業
タイトル通りですが、営業で負けない方法が学べます。
まず、営業とお客さまの間では情報ギャップがあることをおぼえておく必要があります。
お客さまの持っている情報と営業が持っている情報にはズレがあるので、そのズレを解消していくことで成約につながりやすくなります。
服屋に入ると、お客さまは売り込まれたくない状態なのに、「この服が新作で〜」などと話しかけてくる店員がなかなか減らないのも情報ギャップが原因なのです。
情報ギャップを解消した上で、本書では対峙したお客さまの受注難易度を「楽勝」「接戦」「惨敗」に分けて、いかに「接戦」を制していくかが重要だと語られています。
楽勝案件
楽勝案件とは、誰が対応しても受注できる難易度の低いものをさします。
お客さまの方から問い合わせがあったり、リピート客なども楽勝案件に当たるでしょう。
接戦案件
接戦案件とは、すぐに決まらないが、やり方次第で受注にも失注にもなるようなものをさします。
営業としての手腕が問われるような案件です。
その人に営業力があるかどうかは、接戦になったときに分かります。
接戦案件に注力していくことが成果をあげ続けるポイントです。
惨敗案件
惨敗案件は、誰が対応しても受注がむずかしいものをさします。
例えば、長年同じ会社と取引があったり、現実的に難しいくらい大きな投資をしないと受注につながらないような状況です。
惨敗案件にあたったら、早い段階で引いて接戦案件に力を注いだほうが成果はあがるでしょう。
ブランド人になれ
ビジネスインフルエンサーの田端信太郎さんの著書です。
田端さんは、NTTデータ、リクルート、ライブドア、コンデナスト・ジャパン、LINE、ZOZOと大企業を渡り歩いてきた人です。
実体験を元にした、一流のビジネスマンになるためのノウハウが詰まった一冊です。
印象的だった言葉は以下の2つです。
- 量は質に転化する
- サラリーマンはノーリスク
解説していきます。
量は質に転化する
量は質に転化する。
よく量か質どちらが重要かという論争が繰り広げられるが、量をこなさない人間が質を高めることはむずかしい。
特に若手のころは、マインド的にも質を追求せず、とにかく量をこなしていくことが重要です。
田端さんも、NTTデータ時代に千本ノックのように大量の仕事をアウトプットし続けた2年間はビジネスパーソンとして本当に貴重だったと語っています。
まずは、質よりも量をこなすことが一流のビジネスマンになるために必要なのです。
サラリーマンはノーリスク
田端さんは「武士は打ち首。サラリーマンはノーリスク」といいます。
昔であれば、一度の失敗が今後の人生の存続にさえ影響するような時代でしたが、今はどれだけ失敗しても大丈夫だということ。
ビジネスの世界において、特にサラリーマンは失敗し放題なのです。
フリーランスや自営業は、失敗すれば全責任を自分が追う必要があります。
しかし、サラリーマンはノーリスクでチャレンジし放題。
どんなに大きな失敗をしても、いざとなったら会社が責任をおってくれるのです。
それに甘えるべきではありませんが、サラリーマンはもっと思い切った挑戦をしても良いのです。
ヨイショする営業マンは全員アホ
ビジネス系YouTuber(営業系)の宋世羅(そん せら)さんの著書です。
元々、野村證券で営業をしており、そのときの実体験をもとに現場で使えるノウハウが書かれています。
宋世羅さんは、世間一般で語られるありきたりな営業論に対して疑問を抱いています。
実際に本当に現場で使えるノウハウだけにこだわっているのです。
特に印象的だったのは以下の2つ。
- オウム返しは、アホだと思われる
- 営業マンとお客様は対等ではない
解説していきます。
オウム返しは、アホだと思われる
ちまたで語られる営業ノウハウに「オウム返し」があります。
例えば、「この前大変なことがあってさ…」と言っているお客さまに対して、「なるほど!大変なことがあったんですね。」と同じ内容で返すようなこと。
宋さんはオウム返しについて、「それ、現場でやったらただのアホ」と考えています。
確かに、お客さまから「それ、今言ったことじゃん!」と思われてしまいますよね。
個人的にオウム返しの本質は、「しっかり話を聞いていると相手に感じてもらう」ことだと思っています。
わざわざお客さまの言葉を繰り返さなくても、相槌をうったりして他の所作で工夫すれば良いのです。
営業マンとお客様は対等ではない
よく営業マンで「お客さまと営業マンは対等だ!」という人がいます。
宋さんも若手のころ、そう思って営業活動していましたが、うまくいきませんでした。
おそらく、営業マンの方から対等だと言っている時点で、すこし上からになってしまっているのです。
お金を払っているのは、お客さまで、そのお金で自分は食べているので対等ではありません。
極端に下からいく必要はないですが、マインド的に対等だと思っていること自体が問題なのです。
最高の結果を出すKPIマネジメント
営業は日々、KPIに追われている人も多いのではないでしょうか。
KPIとは目標を達成するための具体的な行動指標です。「Key Performance Indicator」の略で「重要業績評価指標」といいます。
要するに、最終ゴールにある目標の中間地点にある目標のことです。
例えば、年間60件の成約が最終ゴールの目標であれば、KPIとして月に5件をたてるようなイメージです。
本書では、KPIの設定方法から達成の仕方までくわしく書かれています。
特に重要だと思った箇所は、変数と定数を分離するということ。
解説していきます。
変数に焦点を当てる
KPIの設定には、プロセスが重要です。
上記の図で説明した通り、KPI達成のためにはCSFを決める必要があります。
CSFとは「Critical Success Factor」の略で「重要成功要因」といいます。
例えば、売上=単価×成約×集客といった図式のビジネスであれば、CSFは成約部分におきます。
理由は、単価と集客はこちらがコントロールしにくいからです。
コントロールしにくいものを定数として、自分のやり方次第でコントロールしやすいものを変数とします。
今回の例の場合は、成約率をあげることがCSFですが、どうやれば成約率があがるか深掘りしていきます。
例えば、「提案資料を作り、対面で営業する数を増やす」のように具体的にCSFを決めるのです。
定数と変数を早い段階で見つけて、変数にフォーカスすることが目標達成には重要なのです。
ドリルを売るには穴を売れ
マーケティングの入門書です。
営業とマーケティングは切り離せないものなので、営業マンであっても最低限のマーケティング脳は持っておくべきでしょう。
マーケティングの知見を持っている営業は強いです。
営業現場でも必要なベネフィットと差別化についても詳しく書かれています。
ベネフィット
マーケティングにおいて、最も重要なのがベネフィットです。
ベネフィットとは顧客にとっての価値。
マーケティングでは、顧客がどんな価値を欲しているかを考えることが必要です。
本書のタイトルにもなっているように、ドリルを欲しがる人は実際は穴をあけたいわけでドリルが欲しいわけではありません。なので、この場合のベネフィットは「穴」になるのです。
営業の現場で商品を提案するときは、「お客さまが本当に欲しているものは何か」を立ち止まって考えるとベネフィットを整理できるでしょう。
差別化
差別化は顧客に選ばれるために他社と自社の価値の差を明確にしていくプロセスをさします。
差別化がマーケティングで必要な理由は、ライバルと同じ商品・サービスでは選んでもらえないからです。
例えば、マクドナルドを真似して安く早く提供できるハンバーガーショップを個人がやろうとしても勝てませんが、良い肉を使ってつくる高級ハンバーガー店なら勝機はあります。
差別化で重要なのは、他社にはない自社の強みを見つけて、ライバルとの違いをしめすことです。
嫌われる勇気
嫌われる勇気は営業本というより哲学本です。哲学の本ですが、人のメンタルやマインド部分にフォーカスしたようなお話です。
「営業にメンタルやマインドの知識は必要なの?」と思うかもしれませんが、営業ではメンタルやマインドが大きく成果に影響します。
物語形式で読みやすい哲学本なので、はじめて哲学に触れる人でも読める一冊です。
一番重要だと思った「課題の分離」についてまとめました。
課題の分離
課題の分離とは、「自分でコントロールできること」と「自分がコントロールできないこと」を分けて考えること。
自分の課題と他人の課題を分離することで、自分が何をすべきか明確になります。
例えば、仕事を頑張っているのに上司がなかなか評価をしてくれない場合で考えてみます。
この場合は、評価をするのは上司なので、他人の課題として切り離します。自分が考えるべきことは、会社で成果をあげるために何をすれば良いのか考えて実行することです。
自分の働きをどう評価するのかは完全に他人の課題なのです。
自分でコントロールできない他人の課題に悩んでいても何も変わりませんし、ストレスも溜まります。
課題を分離して考えることが重要なのです。
イシューからはじめよ
本書では問題や論争点がみつかった場合に、そもそも解くべき問題なのか見直すことで生産性が高まると語られています。
問題、論争点のことをイシューといいます。
「これって本当に解決すべきなの?やる必要ある?」という疑問をビジネスの場面で抱いたことがある人にはおすすめの一冊です。
重要なポイントは以下の2つ。
- イシューの見極め方
- バリューのある仕事とは
解説していきます。
イシューの見極めが重要
問題を解くまえに、まずイシューがあるか見極めることが重要です。
続いて、イシューを見極めるためには以下の3つを意識して探す必要があります。
- 本質的な選択肢である
- 深い仮説がある
- 答えを出せる
どれだけ考えても回答がでないようなものや、AかBどちらかを選ぶように単純な回答で済むようなものは選ばないようにしましょう。
バリューのある仕事とは
バリューのある仕事は、イシュー度と解の質から導きだすことができます。
イシュー度は、答えを出す必要性の高さ。解の質は、そのイシューに対してどこまで明快に答えを出せているかの度合いです。
例えば、営業の局面で考えると、お客さまに提案するプランをA〜Cのどれが適切かなどの選択肢がすでにあるような仕事はバリューの低い仕事です。
一方で、A〜Cプランを利用したお客さまは実際にどれくらいの満足度を獲得しているのか、それぞれ数値化するなど、白黒はっきりしていなくて、すぐに決着のつかないようなものがバリューのある仕事です。
もちろん、バリューが低いからといって仕事を疎かにしてよいわけではありませんが、イシュー度や解の質を自分の仕事に当てはめて考えてみることは一流のビジネスマンに必要なことでしょう。
即決営業
本書は、タイトルの通り、即決営業をもらうための本です。
「即決を狙うのはお客さまにとって良い提案ではない」、「時代遅れだ」など即決営業に対してはネガティブなことをよく聞きます。
しかし、本書では一貫してとにかく即決にこだわることが重要だと語られています。
理由は単純明快で、即決が増えれば増えるほど、売上があがっていくからです。
また、提案する側だけでなくお客さまにとっても、実は即決営業が必要なのです。
理由を解説します。
お客様の欲求は曖昧
大前提としてお客さまの欲求は曖昧です。
お客さまは答えを先延ばしにしたいだけであって、実は一人で決断できないことが多い。
さらにお客さまの意見はコロコロ変わるものです。
要するに買うか買わないか曖昧な状態なので、その状態から即決に導くのが営業マンの仕事。
営業マンにとっては、もちろん。お客さまにとっても即決しないのは、時間を無駄にしてしまうことなのです。
NEW SALES
新時代の営業論が学べる一冊。
現代はモノの売り方が大きく変わろうとしており、ひと昔前の体育会の営業はOLD SALESと語られています。
「プロダクト営業」、「ソリューション営業」は時代遅れで、「ストーリー営業」が必要になってきます。
ストーリー営業について解説します。
ストーリー営業
ストーリー営業とは、物語で「理想」や「課題」を伝えることです。
お客さまが実現したい「理想」、解決したい「課題」、自社が提供できる製品やサービスの「価値」、製品やサービスを届ける「方法」を1つのストーリーにして伝えていきます。
車屋さんを例にあげ、考えてみます。
- 【理想】車を使って誰とどこに行きたいのか、どんな使い方をしたいのか理想を思い浮かべる。
- 【課題】今乗っている車と新しい車を見比べて、理想と現状を認識する。
- 【価値】理想と現状の差をうめるため、新しい車を手に入れれば解決することを認識する。
- 【方法】その価値を生むために最適な方法として「車を買い替える」ことを選択する。
上記の流れを営業マンがつくることを、「ストーリー営業」といいます。
商品の説明だけのプロダクト営業、ただ課題を解決するだけのソリューション営業は、他の営業マンと差別化できません。ストーリー営業こそ新時代に必要な手法なのです。
まとめ【営業マン】おすすめのビジネス書11
最後に本記事で紹介した営業マンにおすすめのビジネス書を以下にまとめます。
- 営業の魔法
- 営業1年目の教科書
- 無敗営業
- ブランド人になれ
- ヨイショする営業マンは全員アホ
- 最高の結果を出すKPIマネジメント
- ドリルを売るには穴を売れ
- 嫌われる勇気
- イシューからはじめよ
- 即決営業
- NEW SALES
現状に満足していない営業マンは、ぜひ一冊でも読んでみて自身の成長につなげましょう。
個人的にどれか一冊を言われたら、営業の魔法を選びます。